鑑賞レポ no.1 【 植島美術館 オープニング展 】 街角に生まれたアートの宝箱✨!?

美術鑑賞レポート

【 目次 】

1. 話題の新美術館へ、いざ!

2. 作家の世界観を巡る、6階建驚きのアート空間!

3. 有名アーティスト作品と過ごす貴重な時間

4. 現代アートは面白い??

5. 植島美術館の魅力まとめ

「新しくできた美術館のオープニング展がすごい!3月末まで延期開催中!」と、SNSで見つけてしまったので、翌日に早速かけ込んできました。昨年オープンしたばかりのUESHIMA MUSEUM(植島美術館)は、渋谷から4分ほど歩いたとこにある渋谷教育学園の敷地内にあります。

↓こんな外観!!

知らなければ、美術館と気づかないで通り過ぎてしまいそうです。

そして、入口に向かうわけですが、まさかのスタッフ警備員不在…!入口にあるセンサーにQRコードをかざすと、ピピッという音と共に、無事入館できました!まるで裏口!笑 初めての無人美術館で、いつもと違うスタートに既にワクワク。これからは、これが当たり前になっていくのでしょうか!?

エントランスを抜けると、早速、見えてきましたよ。鹿さんです。

[ 名和晃平 / PixCell – Deer #40 ]

昨今の現代アート展には必ずと言っていいほどお会いできる、この名和晃平さんのピクセル鹿シリーズ!あい変わらずお美しいー!!細胞のひとつひとつが私はここにいるよと主張していて、でもレンズにまわりが映り込んで反射してるから中の鹿さんはよく見えなくて。鹿さんにはどんな世界が見えてるのでしょうか??

そして、ネ、猫ちゃん!?!?

[ RYAN GANDER / Sowing confusion amongst the titles, or The squatters(Tiger nest Hiller’s Lucidity & Intuition: Homage to Gertrude Stein(2011) ]

インパクと大すぎるスタートですよねぇ!!この猫ちゃんどういう状況?どうしてこんなところにー!?と、混乱をおこしてしまいますが、しっかり、解説もあり、猫ちゃんがどういう状況かわりました!真相は会場で!笑

しかもこの猫ちゃん、ちゃんと息してるんですよ!芸がね、細かいですねぇー!たったそれだけで、一段と愛くるしく見え、いつまででもみていられちゃいそうでした!

さて、まだ始まったばかり。また次のお部屋へ、ピピッとスマホかざして扉をあけていくと、そこには驚きと感動の連続が待っていました。

2. 作家の世界観を巡る、6階建驚きのアート空間!

今回のオープニング展の特徴のひとつが、6階建てのフロアごとに異なるテーマの展示構成となっているところ。それぞれの階ごとに違った世界観が広がり、フロアを移動するたびにまるで別の美術展を観ているような感覚になります。

特に印象的だったのは、1枚のカーテンを潜ると、一気に色彩感覚が変わり、自分の洋服など全てがセピア色の世界になるオラファー・エリアソンの作品。エリアソンは、アートを通じたサステナブルな世界の実現を試みて、世界的に評価されている、デンマークのアーティストです。

[ Olafur Eliasson / Eye see you ]

元々そこにある物体が、どんな色をしてるのか把握することはできないし、そもそも、普段、当たり前に感じている色彩も、太陽の光が生み出してるものであり、その光が変われば、その当たり前ががらりと変わってしまうと、という事実を目の当たりにして驚きでした。小さな部屋の中は鏡張りで、その先には無限の世界が広がっていて、アート作品の世界に迷い込んでしまったような感覚です。

そして、3階は「女性画家のまなざし」というテーマの展示コーナー。かわいく、柔らかく、どこかファンタジックな世界観の絵画作品が並びます。

[ 今津景 / Mermaid of Banda Sea]

[ 工藤麻紀子 / I had a Good Time All by Myself This Time(あの時1人でたのしかった 

[ 今井麗 / Gathering(ギャザリング)]

かわいい。かわいいの大好きです!!笑

今井麗さんの、クッキーマンなどの人形達の絵は、今井さんのお婆様が海外から買い集めたぬいぐるみなどが、棚に並べられていた様子を描いているとか。その物語を知ると、お家で大切にされている人形達の様子が想像できて、ますます魅力的な作品に思えます!

この人形さんたちも、こんなに可愛く描いてもらって、幸せでしょう✨

3. 有名アーティスト作品と過ごす貴重な時間

植島美術館の魅力のひとつは、世界的に活躍している有名アーティスト作品も展示されていることです!今回は、現代アートの巨匠とも言われるアーティスト達の作品も勢揃いで嬉しかったです!

[ 村上隆 / untitled]

[ 村上隆 × Virgil Abloh / Our Spot 1]

例えば、世界的ポップアーティストである村上隆のカラフルな作品。

誰もが一度は目にしたことがある、お花ちゃん!!作品として本物が見れて嬉しい!

ピンク髑髏の作品は、世界的ファッションブランド、オフホワイトとのコラボ作品です!

[ Louise Bourgeois / untitled ]

こちらは、六本木ヒルズの蜘蛛のオブジェ(ママン)で有名なルイーズ・ブルジョワの小作品。ブルジョワは、優しいタッチのものから、震え上がる程刺激的な作品まで、本当に幅広いスタイルの作家さんで、少し過激めな人生も全て芸術に昇華してる、とにかく物凄いアーティストです。

[ teamLab / Matter is Void – Fire]

そして、令和をときめくチームラボ。

今回の作品は渋めです。浮かぶ炎。

3次元的に立体を形どる文字が浮かびます。この作品、実はネット上で誰もがダウンロードできます。そして誰もが文字を形作ることができる。しかも作品の所有者が文字を変えると、世界中でダウンロードされたものの全ての文字が書き換わる。すると、作品自体の価値も変わってゆく…その行方は誰にも予測できない…チームラボらしい、実験的な、挑戦的な作品です…!!

一度は、見たり聞いたりしたことのある、有名アーティスト作品を間近で楽しめるのは貴重な体験でした!さらに、最新のアーティストによる前衛的な作品も並び、現代アートの今を感じられる構成でした。

4. 現代アートは面白い??

「現代アートって難しそうだな…」と思う方もいるかもしれないでも、今回の展示を通して実感するのは、現代アートの面白さは“どこまでも自由である”ということ。

作家の意図はあれど、作品への解釈には正解がないからこそ、見る人の感性によって作品が違った意味を持ち、世界の中でその価値や存在が変わっていく魅力。

[ 塩田千春 / State of Being(Two Chairs)]

これは塩田千春の存在様態シリーズのひとつ。このシリーズは、直方体の金属フレームの中に、赤・黒・白の糸によって、オブジェが空中に浮かび保持されているというもので、塩田作品の中でも最も重要なシリーズです。その2つがここで見れちゃいます!!

この作品を見て、本来、家族や家庭を感じる椅子という温かなアイテムが、黒のロープで覆われている光景に、私はとてつもない”寂しさ”を感じました。また、少し狂気じみている感覚を覚えます。

皆さんは、ここから何を感じますか?

物体としても、椅子と椅子がロープで繋がっているようにも見えるし、椅子がロープに閉じ込められてるようにも見えるし、暗闇のような冷たさもあるけど、ロープの中から椅子が飛び出したがっているような激しさもありますよね。

いろんな楽しみ方が許されるのも、現代アートの醍醐味です!!

5. 植島美術館の魅力のまとめ

今回訪れた、植島美術館オープニング展。総じて大大大満足!平日は人も少なく落ち着いて堪能できましたよ!

改めて、植島美術館の魅力まとめ!!!

✅ 6階建ての落ち着いた展示空間で、歩くだけで刺激がいっぱい!

✅ 有名アーティストの作品も充実していて見応え抜群!

✅ 現代アートの自由さと奥深さを存分に味わえる!

✅ 映える展示が多く、写真動画撮影OKなので、SNS投稿にもぴったり!

「アートに詳しくなくても楽しめる?」と思う人も、きっとワクワクできるはずです!見るだけでなく、全身で体感できる美術館でした。

アート好きの人はもちろん、普段あまり美術館に行かない方も、ぜひ足を運んでみてくださいね!

[ 名和晃平 / PixCell-Sharpe’s grysbok ]

最後に、一番のお気に入り作品であった、名和さんの鹿さんを添えて。

きいこ

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