「ねえ、ちょっと聞いてよ!今すぐ見に行ってほしい展覧会があるんだけど!」
と、前のめりに話したくなるくらいには、圧倒的なエネルギーの展示でした…!
19世紀末のイギリスに突如現れ、25歳という短命でありながら、100年以上たった今もなお語り継がれる天才画家、オーブリー・ビアズリー。
彼の世界に浸って、驚いて、心奪われた体験を、ぜひあなたに味わって欲しい!!!
それでは参りましょう。ビアズリーの妖艶な世界へ。
📙目次📙
1. まるで劇場の幕が上がるような、ビアズリーの世界へ
2. 驚きの直筆作品、天才の手跡を辿る
3.ヴィクトリア&アルバート博物館からの宝物
4. ビアズリーという「事件」
5. この熱狂を見逃さないで!
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1. まるで劇場の幕が上がるような、ビアズリーの世界へ
会場に一歩足を踏み入れた瞬間、一気にビアズリーの世界が広がります。
漆黒と純白、鋭利な曲線や大胆な構図。まるで舞台の幕が上がったような感覚に陥いります。
最初に目に飛び込んでくるのは、彼の代表作**『アーサー王の死』**(1893-94)の挿絵たちです。
「え、これが20代前半の作品ってほんと!?」
と驚愕してしまうほどの完成度…!
どこかゴシックと日本の浮世絵が融合したような、独特の美学がありました。
さらに奥へ進むと、あの、オスカー・ワイルドの戯曲**『サロメ』**(1894)の挿絵画。

この作品が発表されたとき、どれだけセンセーショナルだったかは計り知れません。
「退廃的」「不道徳」と批判されながらも、あまりに美しすぎて目が離せない…

静寂の中、作品と対峙する人々。
視線の先には、まるで悪魔のように妖しく、そして神のように崇高な力を宿した線が繊細に描かれていました。
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2. 驚きの直筆作品、天才の手跡を辿る
今回の展覧会の大きな見どころのひとつが、約50点もの直筆原画です。
印刷された挿絵とは異なり、そこにはビアズリーの息遣いを閉じ込めた筆致が刻まれている。
例えば、細密なペン画が描かれた紙の上には、彼自身の迷いや躊躇が見て取れる箇所も。
想像を絶するほどの精密さなのに、どこか人間らしさも感じられる。
そして、何より驚いたのは、彼が作品を描く際にろうそくの灯りだけを頼りにしていたということ。昼間でも、作品の世界観を守れるよう、遮光カーテンで暗闇をつくり、ろうそくの灯りをともしていたという。
この繊細な線は、薄暗い光の下で生まれた…しかもペン一本で…
……もう、ただただ、ため息…!!
圧倒的な才能と、そして努力がないと生まれない世界が、そこにありました。
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3.ヴィクトリア&アルバート博物館からの宝物
この展覧会は、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)との共同企画となっています。
つまり、、、世界有数のビアズリー・コレクションを誇るV&Aから、約150点もの作品がやってきた、本当に貴重な機会なのです!!

「えっ、これロンドンまで行かないと見られないやつでしょ!?すごすぎる…!」
特に見応えがあったのが、ビアズリーのポスター作品や装飾デザインです。

ペン画のイメージが強い彼ですが、サイズも大きめで、色彩の入ったポスターはまた違う魅力を放っていました。
19世紀末のロンドンの空気や、アール・ヌーヴォーの香り、まるで時を超えて、その時代を生きる観客になれた感覚が味わえました!
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4. ビアズリーという「事件」
ビアズリーは、まさに「事件」だった。
といわれますが、天才と呼ばれながら、スキャンダラスな存在でもありました。
オスカー・ワイルドの同性愛スキャンダルに巻き込まれ、出版社から解雇されたこともあります。
でも、そんなことでは潰れないのがビアズリー!!むしろ、どんどん新しい表現へ挑戦して、進化していきました。
最晩年の作品である**『モーパン嬢』**(1898)を見たとき、
「ビアズリーはここからさらに飛躍するはずだったのに…」と、彼が味わったであろう悔しさを思うと、なんとも言葉になりません。
25歳という若さで結核に倒れた彼。
もしあと数年、数十年と生きていたら、どんな作品を生み出していたことでしょう。
そう考えると、ますますこの展覧会の価値を感じられます。
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5. この熱狂を見逃さないで!
正直、ビアズリーの世界は好みが分かれるかもしれません!
「なんかちょっと怖い…」「退廃的すぎる…」と感じる人もいるかもしれないです。
でも!だからこそ、一度は見てほしい!!!
です!!!
100年以上前の作品なのに、時代を感じさせない、オシャレで躍動感もあり、どこか現代のアートと共鳴する部分もあます。
100年前と今では、現代の方がビアズリーの持つ「毒」を、遥かに受け入れやすい時代なのかもしれません。
会場を出るころには、すっかり彼の世界に魅せられてしまったきいこです。
この感覚を味わえるのは、今、この展覧会に足を運んだ人だけの特権ですよー!!
ぜひ、あなたも三菱一号館美術館にて、ビアズリーの世界に迷い込んでみてください!
きっと、想像を超えた衝撃と感動が、たくさん待っているはず!!!!

【基本情報】
『異端の奇才─ビアズリー』
会期:2025年02月15日~2025年05月11日
会場:三菱一号館美術館(100-0005 東京都千代田区丸の内2-6-2)
アクセス:JR「東京」駅(丸の内南口)徒歩5分/ JR「有楽町」駅(国際フォーラム口)徒歩6分 / 都営三田線「日比谷」駅(B7出口)徒歩3分
開館時間:10:00~18:00 ※祝日を除く金曜日、会期最終週平日、第2水曜日、4/5は20時まで開館 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(2/24、3/31、4/28、5/5は開館)
観覧料:一般=2,300円 / 大学生=1,300円 / 高校生=1,000円 / 小中生無料
※障がい者手帳をお持ちの方は半額、付添の方1名まで無料