銀座の中心地に、昨年突如現れた、あれは、太陽の塔?・・・いや違う、宇宙猫たちに占拠されているーー!!??

ということで…見てきました!GINZA SIX中央の吹き抜けアート、ヤノベケンジ「BIG CAT BANG」。訳して、猫大爆発!!商業施設のど真ん中で、ビッグバンの如く爆発して飛び出す宇宙猫たちが圧巻です!
今、国内外各地で作品が展示されている、大注目の現代美術家、ヤノベケンジさん。2017年から宇宙猫による「SHIP’S CAT(シップス・キャット)」シリーズがあちこちで展開され、今回もその一つです。
メタリックに輝くスーツに身を包んだその姿は、カッコよく、可愛く、見ているだけでも衝撃的な面白さがありますが、そこには、ただの猫ではない、特別なメッセージが込められています。

そして、今回、作品をオマージュして作られている、岡本太郎「太陽の塔」。ヤノベケンジさんは幼少期に、大阪万博の跡地近くで育ち、廃墟と化してゆく万博の姿を目にしながら過ごしました。その時の体験が今の創作へとつながっているようです。
岡本太郎のアートの精神を受け継ぎながら、また新たなアートで現代の世にメッセージを放つヤノベ作品は、私たちに何を投げかけているのでしょうか?
今回は、「BIG CAT BANG」にどんな想いが込められているのか?ヤノベケンジさんはどんなアーティストで、どう岡本太郎と結びついているのか? さらに、岡本太郎の世界観を体験できる美術館情報もお届けします!
週末のおでかけついでに、ぜひ足を運んでみてください。
1. BIG CAT BANGに込められた物語は?
ハイブランドが軒を連ねるGINZA SIXのど真ん中に浮かぶ、今回作品。

まず、太陽の塔をオマージュして作られた、中央の白い大きな物体は、宇宙から生命の種を運んでいる巨大宇宙船「LUCA号」。
時は地球に生命が誕生する前、宇宙猫たちは地球を発見し、地球に生命の種を蒔き育てた。古代生物や、植物が誕生し、恐竜達の面倒だってみてきた。多くの困難を乗り越えながら、宇宙猫は地球の生命を育て、やがて人類が誕生する。その頃になると、宇宙猫達にも寿命なのか、疲れが見え始め、倒れていく者(猫)も・・・時は過ぎ、現代。今、街中を気ままに歩き、たまにこたつで丸くなる、愛らしい猫たちは、彼ら宇宙猫の生き残りなのかもしれない…?
と、あらすじはこんな感じ。ここまでのストーリーは現地にはなく、もう少し簡単な紹介のみ。この物語はYouTubeでしっかりショートムービーが上がっており、そこで確認できます。
インタビューの中でヤノベケンジさんも、「まずは、面白い!可愛い!といふうに見てもらえればよくて、詳しく知りたい人は、いろんなメディアを使って調べてください」とおっしゃっているので、調べて初めてわかる情報が色々あり、そこまた気になる作品となる要因でもあります。知れば知るほど、奥深い・・・!!

昨今、環境破壊や、戦争など、地球規模で絶滅の危機に瀕している地球・・・だからこそ、都会のど真ん中で、改めて見つめ直し、宇宙という観点で生命について考え直そう…という、祈りのようなメッセージが込められたポップアートです。
鑑賞者は、美術館で何かを感じようとしていたわけでもなく、ショッピングやグルメを楽しんでいただけなのに、突然、物凄いエネルギーで生命について問いかけられる、そこからまた鑑賞者の考え方や、行動、生き方に影響していく。予期せぬアートとの出会いはそういう効果を生み出すと思うし、アートの役割はそこにある。そんな、アートそのものについても考えさせられる、今回の展示でした。
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では、今回のシリーズ《シップス・キャット》についても掘り下げていきたいと思います!2017年に誕生して以降、各地に出没して、話題を呼んでいます。
現在日本でいつでも出会えるシップス・キャットはこちら↓↓
・全国宿泊施設「WeBase」(博多・京都・鎌倉・高松・広島)のアイコンとなるパブリックアート
・大阪中之島美術館
・京都市叡山本線「茶山・京都芸術大学」駅ホーム
・大阪府茨木市文化・子育て複合施設「おにクル」
他にも、上海のショッピングモールへ恒久設置されるなど、世界規模で出現箇所を拡大中です!
シップス・キャットは、古代エジプト大航海時代に船に乗って世界中を旅した船乗り猫の物語がモデルになっているようです。猫たちはネズミ退治によって、疫病・食糧保護対策の役割も担いつつ、船員たちを癒していました。
ヤノベケンジさんは、かつて船乗りたちが「旅のお守り」として船に乗せていた猫を元に、”若者や人々の未来を守り、地域に幸福を呼ぶ宇宙猫”を誕生させました。

メタリックに光るスーツ姿の巨大な猫は、どこか神秘的な佇まいで、強く私たちを導いてくれそうです。
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2. 人気急上昇中の“ヤノベケンジ”とは?
ヤノベケンジ(1965年生まれ)は、巨大でインパクトのある彫刻作品や機械彫刻で現代美術を代表するアーティストです。
彼の作品は、ポップでキャッチーな見た目ながら、社会的メッセージが深く刻まれており、「希望」「再生」「未来」などのテーマが込められています。
特に有名なのが…
✅ 《Sun Child》:放射能から身を守るための防護服をモチーフにした作品
✅ 《ジャイアント・トらやん》:巨大ロボットのような子供の守護神を表した作品
✅ 《サン・シスター》:阪神淡路大震災のモニュメントとして被災した人々の慰めや未来に対する希望が込められた作品
子供から大人までアートに興味がなくてもつい立ち止まって見上げてしまう面白さがあり、そこから多くメッセージを強く発信し続けている今後も大注目です!!パブリックアートとして日常の中で出会える機会が多いのも魅力的です!
〜〜ヤノベケンジ個展開催中!!〜〜
ハイパーミュージアム飯能にて、
【オープニング特別企画展】ヤノベケンジ「宇宙猫の秘密の島」が開催中です!
ヤノベケンジの世界をもっと知りたい方は是非訪れてみてください!
期間:2025/3/1〜8/31
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3. 「芸術は爆発だ!」岡本太郎が目指していたもの
ご存知、岡本太郎(1911-1996)は、芸術を「人間として生きることそのもの」として捉え、社会のあらゆる事へアートを通して挑んだ、日本を代表する前衛芸術家です。

彼の代表作には、
🎨 《太陽の塔》(大阪万博のシンボル)
🎨 《明日の神話》(渋谷駅にある巨大壁画)
🎨 《座ることを拒否する椅子》(ユーモアと哲学が融合したデザイン)など。

どの作品も「一度見たら忘れられない衝撃」と、「見た人の心を大きく揺さぶる力」があり、ヤノベケンジさんの作品とも通じるものがあります。
岡本太郎の世界を簡単には語れませんが、
アートを通し、「人間の本質的なエネルギーの爆発」や「生命の躍動を表現すること」を目指し、追求していました。既存の価値観にとらわれず、生命力や情熱を解き放つことを重視して生きていました。
衝撃的な作品と向き合った時、人生観や自分の価値観が揺らぐ感覚になります。そういう体験をより多く生み出してきた偉大な芸術家です。また岡本太郎は多くの名言集も出版されていますが、次世代に繋げていくべき多くの言葉があります。
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4. 岡本太郎の世界を感じる美術館へ行こう!
岡本太郎の世界にどっぷり浸れる美術館を2つ紹介します!
📍 川崎市岡本太郎美術館

川崎市にある岡本太郎美術館は、緑豊かな生田緑地の中にあり、自然とアートが一体化した空間となっています。館内には絵画や彫刻、デザイン作品などが展示されており、太郎が生涯をかけた「爆発する芸術」を体感できます。岡本太郎の人生についての展示や、定期的に展示内容が変わる企画展も開催され、かなりじっくり鑑賞できます。屋外には《母の塔》などの彫刻が点在し、公園を散策しながら楽しめるのも魅力です。岡本太郎の地元川崎にて、彼のエネルギーを全身で感じることができる美術館です。

📍 岡本太郎記念館(渋谷)

南青山にある岡本太郎記念館は、彼が40年以上実際に暮らし、創作活動を行っていたアトリエ兼住居。生前のまま残された空間には、絵の具のついたキャンバスや彫刻の制作途中の道具がそのまま置かれ、まるで太郎の息づかいが感じられるかのようです。庭にはユーモラスな彫刻が並び、どこを見ても「爆発するエネルギー」が溢れています。美術館とは違い、アットホームな雰囲気の中で岡本太郎の生き様や日常に触れられる、まさに”アートが息づく場所”。ファンなら一度は訪れたいスポットです。

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5. 過去、現代、そして未来へ引き継がれるアートの力
岡本太郎が目指した「心を揺さぶる芸術」、
ヤノベケンジが作る「未来への希望を感じさせるアート」。
移りゆく時代の中で、大事なものが受け継がれ、新たな世界が築かれていく。
アートが持つエネルギーの凄さを感じます。
銀座の中心で令和の宇宙猫《シップス・キャット》を見上げ、かつて「人類の進歩と調和」に挑んだ岡本太郎の《太陽の塔》の存在を感じると、
「アートって本当いすごい!」と改めて実感するはず!!
アートは、生きる力を与えてくれるもの。
ぜひ、アートの力を体感する旅に出かけてみてはいかがでしょうか?

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6. 基本情報
🎨 GINZA SIX「BIG CAT BANG」
📍 所在地:東京都中央区銀座6丁目10-1
🕒 展示期間:2025年夏まで(予定)
🎫 観覧料:無料
【 川崎市岡本太郎美術館 】
📍 所在地:神奈川県川崎市多摩区枡形7-1-5生田緑地内
🕒 開館時間:9:30~17:00(最終入館16:30)
🗓️休館日:月曜日(月曜が祝日の場合は除く)、祝日の翌日(祝日の翌日が土日にあたる場合を除く)、年末年始、他に臨時休館日あり
🎫 入館料:企画展ごとに変動あり。詳細はHPで要確認。
【 岡本太郎記念館 】
📍 所在地:東京都港区南青山6-1-19
🕒 開館時間:10:00~18:00(最終入館17:30)
🗓️休館日:火曜日(祝日の場合は開館)、年末年始(12/28~1/4)及び保守点検日
🎫 入館料:一般650円、小学生300円